外反母趾から考える『自分を磨ける足育の知識』

外反母趾から考える『自分を磨ける足育の知識』

・足の痛みで、歩くのもままならない!なんとかしたい…

・痛くはない。けど見た目が気になる

・外反母趾にはなりたくないし、予防して足を健康的でキレイにしたい

・立ち仕事や、ずっとすわっていると足がむくんで疲れる

・運動やスポーツなどんパフォーマンスを上げたい

・外出や旅行、公園で子供と元気に遊びたい

など、足そのもののトラブルや不調で困っている方はもちろんですが、身体の土台である足は、とても重要です。

あなたの気づかないところで、心身のお悩みの原因になっている場合もあります。

逆に、足を整え、育てていくと、日々の疲れやパフォーマンスは底上げされていきます。

この記事は、足や心身のお悩みがある状況で、解決方法がないか?模索している方のために書いています。

結論としては、足の骨格を正常な位置に戻し、関節をスムーズに動くようにすることから、足のケアは始まります。

そこから、骨盤や背骨、脳、自律神経など、体のあらゆる部分に影響を及ぼし、そして「自分の足で歩く」という、人間の根幹ともいえるものを体験し、実感を得ることからも、心に安心感や自信を育て、希望を持ち、前向きに考えやすくもなります。

そんな大切な足の仕組み、歪みの傾向、ケアのポイントを知ることで根本的な対処となり、迷いも少なくなります。

前置きが長くなりましたが、本題にはいります。

足(脚)の基礎知識からフットケアの重要性

そもそも足とはどこの事をいうのでしょうか。

脚と足の違い

まず足と脚についてご説明します。

脚とは、股関節付近の脚の付け根から足の指先までの事を言います。

医学的に脚は自由下肢骨といわれ、骨盤の一部の寛骨という下肢帯と

脚(自由下肢骨)で下肢骨を構成します。

上肢骨が肩や腕、手だけでなく肩甲骨も含まれる事と同じです。

だから字を書きすぎたり手を酷使すると、

背中(肩甲骨)も凝って疲れてくるんでしょうね。

足とは靴を履く部分で、くるぶしから足の指先までの事をいいます。

足の解剖(筋肉や骨格)について

足の骨は、片足28個(種子骨を含む)で形成され、両足で56個にもなります。

これは骨格が癒合する前の小児では全身で350個、

成人で耳の中の耳小骨なども含めると206個といわれる体全体の骨の数

約4分1も足部が占めていることになります。

足裏の体表面積は2%にもかかわらず、この割合という事からも足部の重要度がうかがえます。

その分おのずと関節の数も増えることになり、“ズレ” や “歪み” も

生じやすく、不安定感も生じやすいです。

これは二足歩行でアンバランスを利用しながら移動するため

に適した発達といわれています。

え? 足首って片足に2つある?!

一般的に知られている足首(足関節)とは、上のイラストでは、

脛骨(腓骨含む)と距骨の間の関節の事をいい、

医学的には “距腿関節(きょたいかんせつ)” といいます。

そして、もうひとつ足首の関節に

距骨と踵骨(かかと)の間を “距骨下関節(きょこつかかんせつ)” といいます。

実はこの距骨下関節が歩行時の衝撃の吸収や全身の姿勢に大きく

関わっているので、とても重要です。

距骨の重要性

骨は脳や神経からの命令を伝えられた筋肉によって動き関節が曲がったり伸びたりします。

足の指先や足首を動かした時って、すねやふくらはぎが固くなったり

柔らかくなったりして動きますよね。

この図のように

足指を動かす筋肉はすねや膝から伸びて足指の骨についています。

もしかしたらあなたが思っているより、かなり上からではないでしょうか。

片足28個もの骨は何層にもかさなり、靭帯や関節包、

筋肉によって密接につながっています。

それなのにこの “距骨” という骨は人体の中で

唯一、ひとつも筋肉が付着していません。

このような理由から周りのアンバランスや不具合が間接的に

距骨のずれを生じさせ体全体へと波及していきます。

これは様々な地形に足裏を適合させるために

複雑化された人間のみの仕組みです。

踵骨の上に距骨が多少交差して乗る構造をとっており、

この点がサルをはじめとする他の哺乳動物と異なるところで、

四足動物では進化の遅れたものほど平行に並んでいるといわれています。

足関節の運動軸自体も地面とは平行になっていない点も興味深いですね。

距骨は他の筋肉や環境に影響されやすくずれやすいので注意が必要です。

何もした覚えがないような足首の急な痛みや慢性的な痛み・捻挫の後遺症などは

距骨の動きや機能が崩れている場合が多いです。

足と内臓の生理機能との関連

足は “第2の心臓” という言葉は聞いた事があるのではないでしょうか。

全身にめぐらせた血液を心臓だけで循環させるには不十分なものを足が補っています。

重力に対抗してしてふくらはぎや足指の筋肉を収縮させる事によるポンプ作用で

心臓に血液を押し戻してサポートします。

このポンプ作用はマッサージ等の外からの刺激も良いですが、

自分で足を動かす方が効果的に働きます。

立ちっぱなしや座りっぱなしが長時間になり、

足の筋肉のポンプ作用が正しく機能していかないと

足がむくんだり疲れやすくなったり

エコノミークラス症候群といわれるものにもつながる恐れがあります。

これは足のケアが内臓の不調に対する

予防や回復の助けにもなれるということを意味します。

足の荷重による負担・影響

ゆっくり歩行するだけでも重力によって体重の1.2倍の力が
足裏にかかるといわれています。

その衝撃を緩和するために、足の筋肉や脂肪、血管、

特に足裏のアーチ構造が大切になってきます。

このように分けられるアーチ構造も立位時の負担は体重が60kgの人が片足荷重になった時は

踵には30kg、小指側に10kg、親指側には20kgという負荷がかかっていることになります。

それが歩き方や体重のかけ方によりアンバランスになり、

ある部分に過剰な負担がかかると骨を守ろういう防御反応で

足裏の皮膚が硬くなったり胼胝(べんち)ができてしまいます。

胼胝とは、いわゆるタコの事です。

ゆっくり歩いていてこの負担がかかるので、

走ったり緩衝作用が衰えた足裏の場合はなおさら過剰な負荷になります。

足と脳・自律神経の関係

特に足の指から踵にかけての足裏には、神経が集中しています。

足への感覚刺激は、筋腱、関節包がどのような動きをしているかという位置覚や

固有感覚によっての情報をつねに脳に共有しリンクさせています。

固有感覚には…

・筋固有感覚

・関節と皮膚の固有感覚

・前庭・頚部固有感覚

の3つに分類され、それぞれの神経、脊髄を経て大脳に至ることにより、

足指の自由な運動は全身の筋肉運動や

脳による自律神経の機能を効果的に働かせています。

特に前庭・頚部固有感覚という姿勢を制御する

必要な情報を収集する【メカノレセプター】という

器官が足裏には点在しています。

この重要なメカノレセプターは踵・足指の付け根の裏・母趾に多くあります。

筋力のない幼児がうまく立てたり歩いたりできるのは、

この感覚がうまく機能しているからです。

長時間、正座した後って足がしびれてうまく立ったり歩けませんよね。

つまり筋力も大切ですが、足裏の感覚がとても大切になってきます。

高齢者の転倒なども、この足裏の神経が鈍感になっているのが大きな理由です。

という事は、

足裏のクッションであるアーチ機構を鍛えずに破綻させたまま歩行し続けると、

痛みなどがなくても不快感を感じる事により、常に感覚が衰えて

ストレスになってしまします。

逆に足裏の感覚を養ったり、快適に毎日歩いたり立てるように

なると常に心地よい感覚が脳や自律神経に入力され

あなたの回復力を整えてくれることでしょう。

身体は消耗品ともいわれますが、

足の感覚は使い込めば使い込むほど研ぎ澄まされていく

職人の道具のようですね。

足ってすべてにつながっています。

生涯、自分の足で快適に歩き続けれるように

足のメンテナンスは必須です。

外反母趾の原因メカニズム

そんな足育を解説していきます。足育を学ぶためには、外反母趾を題材にするのが、
とてもわかりやすいです。

外反母趾にはまだ縁がない方にも
様々な足のトラブルの要因にも関係します。

初めに外反母趾のメカニズムを動画で
全体像のイメージをつかんでください。

動画のように、かかと、距骨、脛骨をはじめ、舟状骨、立方骨といわれる足の足根骨の配列を整え、関節の動きを正常に促すことが根本解決になります。

そうすることで、足裏のアーチが鍛えられて、足が育っていきます。

靴屋さんも知らない隠れアーチとは?

足裏のアーチについて、より理解を深めるためにもこちらの記事を合わせてご覧ください。